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はちみつ。

はちみつ。

第1法「忘れ物。」5

さっきまで目を赤くして泣いていた奈緒が

不気味な笑いを口に浮かべた。

「え・・・。ムヒョ、幽霊って・・・?」

「オメェまだわかんねえのかっ!早く離れろ!!!」

ムヒョの顔からは今まで見せていた余裕のある表情が消えていた。

「う、うん!」

ロージーが立ち上がり、駆け出そうとした時、

奈緒の生暖かい手がロージーの肩をつかんだ。

「ひ、ぁぁあっ!!??」

奈緒の手はさっき足についていたものと同じ血と髪がこびりついている。

「は、はなし・・・てっっ!」

ロージーの声は恐怖のあまり裏返っている。

「・・・ヤ、ダッ。はなさ、な、ィ゛ィ゛イ゛ッ!!!!」

奈緒の目は見開かれ、赤く変色し、声まで低く変わってしまっている。

「ぅわぁぁっ!ムヒョ、たす、け・・・」

奈緒の赤く血で染まった手のひらがロージーの顔に触れている。

「ヒャハハハハァッツ!!!怖い、か、ァァ!?」

奈緒は血まみれの手でロージーの口をふさいだ。

「ぅ・・・んグぅっ・・・!」

「チィィッ・・・!!!」

ムヒョは羽織っていた青黒いマントの中から分厚い本を取り出すと

素早くページをめくりはじめた。

もうロージーは限界だ。心理的にも体力的にも

ヤバイ状況に追い込まれている。            

「魔法律第124条ー・・・」

「ギョオオオァァッ!!!!!!!!!」

奈緒が突然ムヒョに向かって手を伸ばしてきた。

「・・・チィッ!」



ドカァッ!!!!!!!!


「・・・!?」

ロージーがムヒョをかばい奈緒にしがみつき、動きを止めた。

「ム、ヒョ。は・・・やく・・・ゲホォォッ!!!」

「でかしたぞ、ロージー。良くやった!」

再びムヒョは本を開くと口を動かし始めた。

「魔法律第124条『人体無断借霊化』及び『魔法律執行妨害』

の罪により『狂乱の谷』の刑に処す!」

すると突然体育倉庫の床にヒビが入り、深く暗い谷が出来た。

谷の奥からはさまざまな悪霊の声が聞こえてくる。

「ィヤダァァッ!まだ、ま、だ・・・ァァァッ!!!」

「ダメだ。いいか。『罪には罰』だ。」




「ヒッヒ。残念だな。だがこれは当然の報いだ。」



いきなり谷の隙間から風が吹いたかと思うと、

奈緒の体の中にはいっていた霊はうめき声をあげ、谷の底に落ちていった。

そして霊の姿が消えた時、もうヒビは消え、

霊体の抜けた奈緒は冷たい床に倒れこんでいた。

倉庫の床には血の跡1つない。


「・・・・・ロージー。帰るぞ。」

「うん・・・ありがとう、ムヒョ。」

「いいから奈緒を診ろ。」

「うん。」


こうして3人はまたあの「六氷魔法律事ム所」へと帰っていった。





「・・・う、ん?」

「あ!奈緒ちゃん、気がついた?」

「はぁ・・・アタシ・・・」

「あの、ね・・・」

「待て、ロージー。言うな。」

「え。あ、う・・・ん。」

ロージーは真実を奈緒に伝えることなく言葉を呑んだ。

「奈緒よ。」

「な、なに?」

「まだ言う事あんだろうが。」



「・・・うん・・・。」


ーーーーーーーーーーーあとがきーーーーーーーーー
またムダに長くなってしまった・・・Uuホントどうしましょう。
この駄文の才能は。魔法律思いつかなくてパクリっぽくなってしまいました。西先生すごいですね!やっぱ才能ですかねェ。
ちゅうとはんぱな感じですねー。ちゃんと終わらせますUu






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